玉三郎さんの美に浸る時間
今日は母と御園座で坂東玉三郎さんの
「ふるあめりかに袖はぬらさじ」を観てきました

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連休中の昼間一回公演なので 午後の出易い時間帯でした

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有吉佐和子さんの原作で 昭和47年の文学座公演で初演されて以来
杉村春子さんのお園が当たり役として繰り返し上演されて
昭和63年からは坂東玉三郎さんが受け継いでいる舞台です
ご存じ無い方に荒筋を
「幕末、尊王攘夷の機運が盛り上がる開港間もない横浜の遊郭・岩亀楼(がんきろう)。病で床に伏せった遊女の亀遊を見舞いに吉原の頃から顔なじみだった芸者・お園(坂東玉三郎)が来る。そこで園は、亀遊が通辞の藤吉と恋仲であることに気づく。ある日、岩亀楼にアメリカ人のイリウスがやってくる。藤吉が通訳する中、唐人口と呼ばれる異人相手専門の遊女が呼ばれるが、イリウスはそこに居合わせた唐人口ではない亀遊を気に入り、ぜひ相手にと熱望する。岩亀楼の主人はイリウスから大金をせしめることができると見るや亀遊の身請けを承諾するものの、亀遊は藤吉との恋が叶わないことを儚んで自害してしまう。そのうちに、亀遊が自害したのは外国人への身請けを拒んだことが原因だという瓦版がまかれ、亀遊は一躍攘夷女郎のヒロインにまつりあげられる。そして、「露をだにいとふ大和の女郎花(おみなえし) ふるあめりかに袖はぬらさじ」という辞世の句を残したという話まででっちあげられてしまう。一方、岩亀楼には攘夷女郎がいたと評判が立ち連日客が押し寄せる。亀遊の話を聞きたがる客にお園が話をするうちに、どんどん話が大きくなり、脚色されていってしまう。5年後、攘夷党の集まりが岩亀楼で開かれ、例によってお園が呼ばれ、亀遊の話をすることになる。手馴れたお園は流暢に話をし、最後に辞世の句を歌うと、それが脚色であることがばれてしまう。怒った攘夷党の侍に刀を向けられ、今後一切この話をしないように脅かされる。一命を取り留めたお園は、一人、降る雨を眺めながら酒をあおるのだった……。」( シネマ歌舞伎より)

若い頃 杉村春子さんのお園を観ていますが
それはもうすでに相当なご高齢だった筈ですが
そんな事は全く感じさせない 見るものを惹きこむ素晴らしさでした

今回念願かなって玉三郎さんのお園を観る事が出来ました

幕が開くと 暗い舞台に低い声のみ聞こえて来ます
行燈部屋で寝る病気の遊女亀遊の元へ やってきた芸者のお園
何やら文句を言いながら雨戸を空けていくと
合わせて照明がつき 朝の光が部屋に入ってきます
すると窓辺に お園が立っているのが判ります
この始まりにゾクゾクします 
低~い地声は歌舞伎の舞台では聞き慣れないものです

玉三郎さんのはかなげな美しさが果たしてお園の感じに合うのか
少し不思議な気がしたけど そんな杞憂は必要無かった
さすがにお上手! 人情に厚い粋な芸者のしたたかな生き方を
美しく凛とした玉三郎さんらしく演じてみせてくれました
ちょっとした仕草に 深い孤独や陰影をにじませて・・・

IMG_4438.jpg
 
このお芝居とにかく見ていて面白い 本当におかしい
なのに時々ホロリとなる これぞ芝居の醍醐味ですね

幕切れ「それにしてもよく降る雨だねえ」とつぶやく
深い余韻が漂う玉三郎さんの後姿はそのまま画にしたいような・・・

カーテンコールは歌舞伎では珍しいのでちょっと驚きましたが
そうそう玉三郎さんの舞台はそうだったと思いだし嬉しくなりました
二度目の幕が開いた後はもう夢中でスタンディングです(笑)
拍手だけじゃこの嬉しい気持ちは伝えれきれない

さすがに御園座では立ってる人は少なかったけど
そんな事は構うものか 玉三郎さんにも判るのか
ニコっと笑って喜んで下さったのも更に嬉しかったです
可愛く腰を屈め 小さく手を合わせて下さった姿のなんて愛嬌のある事
母に後から吃驚して恥ずかしかったとお小言だったけどね(笑)

ああ・・・それにしても玉三郎さんの舞台は本当に素晴らしい
何時見ても感動がいっぱい この素晴らしい稀代の女形と
一緒の時代に生きる事が出来て本当に良かった・・・


今夜は子供達が泊りに来て大騒ぎの晩御飯とお風呂でした(笑)
明日は楽しいバーベキューです お天気も先ず先ずらしいので一安心


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【2012/05/04 23:58 】
うさぎの話 | コメント(14) | トラックバック(0)
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コメント
うわー!素晴らしい!!!

講演会やトークショーには行っていても
実は本来の「舞台」に立たれているお姿を
みたことがないわたくし(涙)

この作品は「シネマ歌舞伎」にもなっていて
いま、南座で上映の映画の予定に入っているというのに
それにも行けなかったのです。。。
(というか全部みたいのに全然いけてない)
お芝居も御園座の次は南座なのですが、とても行けそうにないし(泣)

お読みになったかもしれませんが
インタビューがあったので↓
http://www.kabuki-bito.jp/news/2008/05/__photo_93.html

>一緒の時代に生きる事が出来て本当に良かった・・・

おっしゃる通りです。
映画は時代を超えて残るけど
Liveは一緒に生きていないと体験できないですもの。

御園座さん、「さよなら公演」だそうですが
ゴールド・シルバー劇場も閉めてしまわれたし
(一緒にしたらだめかしら?)
名古屋もいろいろ変わっていきますね。
【2012/05/05 10:26】
| URL | grace #5zcN.rTA[ 編集] |
usakoさんこんにちは。

玉三郎さんの舞台は見る機会が無くて、
TVで見る程度ですが、本当に名女形なのですね。

usakoさんの興奮が文字から飛び出して、私まで嬉しくなります。

素晴らしい舞台にスタンディングで応えるのは、演者さんにも直接伝わってイイと思います。
【2012/05/05 16:25】
| URL | nabi #FcZfbeYc[ 編集] |
昔、孝玉の軟化を見に行ったっきりです。

本当に素晴らしかったのね。
後ろ姿ってさまざまなものがにじみ出ますよね。
いいわ。後ろ姿フェチですv-410

スタンディングだっていいですよね。
旦那に何と言われようと、ドン引きされようと、クレバ、立たずにはいられない、歌わずにいられないもの。
その時その時の気持ちに素直でいたいわ。
たとえ、周りに何と思われようとも。
【2012/05/05 20:39】
| URL | やっほー #-[ 編集] |
アタシは、遠い昔、『椿姫』を観ました。
もちろん、歌舞伎も観てるし、
映画も、舞台挨拶付きで観てます(^-^)
姐様の仰るとおり、同じ時代に生きててよかったと思います、ナイスな表現、あざーっす(^^ゞ

にしても、相変らず、フル稼動な連休になったのでは?(笑)
【2012/05/05 22:49】
| URL | パブロ・あいまーる #iU4puUNs[ 編集] |
私は残念ながら、生玉三郎さんは未見なの。

素晴らしい芸術にふれたら、素直に感動を伝えるのは、本当に大事なのね。
usakoさんの感想を読み、何とかして一度見たくなったわ(笑)。

せっかく一緒の時代に生きているのだものね。
【2012/05/06 07:44】
| URL | えり #-[ 編集] |
graceさん こんにちは

実は本来の「舞台」に立たれているお姿を
みたことがないわたくし(涙)
>まあgraceさんのように玉三郎さんをご存じの方が・・・
「Liveは一緒に生きていないと体験できないですもの。」ですから是非機会を作ってご覧下さいね

御園座さん、「さよなら公演」だそうですが
ゴールド・シルバー劇場も閉めてしまわれたし
(一緒にしたらだめかしら?)
名古屋もいろいろ変わっていきますね。
>ええ 御園座は赤字続きですから上手く再建できるのか不安です
差当り歌舞伎は場所を借りて上演されるようですが
本当にどう変わっていく事になります事やら・・・

【2012/05/06 13:54】
| URL | usako #udg4x/Zk[ 編集] |
nabiさん こんにちは

玉三郎さんは 素晴らしい女形です
こんな方はこれまでにもこれからも出てこないと思います
奇跡のような方です

素晴らしい舞台にスタンディングで応えるのは、演者さんにも直接伝わってイイと思います。
>ですよね 実際玉三郎さんもにっこりとお辞儀して下さいました
勿論普通のご挨拶なのですが こちらを観て下さったような・・・(錯覚)
【2012/05/06 14:00】
| URL | usako #udg4x/Zk[ 編集] |
やっほーさん こんにちは

後ろ姿ってさまざまなものがにじみ出ますよね。
いいわ。後ろ姿フェチです
>いいですよね~後姿までお芝居が出来る方は本物ですね

その時その時の気持ちに素直でいたいわ。
たとえ、周りに何と思われようとも。
>どんな風に生きたって 言う人はどんな事だって見つけて言うのです
私も同じ生きるのなら自分が好きなように生きます(笑)
【2012/05/06 15:55】
| URL | usako #udg4x/Zk[ 編集] |
Pさん こんにちは

さすがアクティブなPさんは色々ご覧になっていますね

同じ時代に生きててよかったと思います
>ですよね 歌右衛門さんが若い頃を知った祖母が昔よく言ったのです
その時にしか見れない物はお金を惜しまず見るべきだって(笑)
そういうのが本当の贅沢な生き方だって
明治の女は良い事言います(爆)

フル稼動な連休になったのでは?(笑)
>まあそれだけ元気になったという事です
【2012/05/06 16:05】
| URL | usako #udg4x/Zk[ 編集] |
えりさん こんにちは

中々玉三郎さんは東京や大阪京都位しか舞台に立たれ無いので
名古屋でも滅多にお姿見れないのですが
機会が有りましたら是非ともご覧になって下さい
【2012/05/06 16:19】
| URL | usako #udg4x/Zk[ 編集] |
わ~生玉さま\(^o^)/

ホンに裏山です!

わたしの初玉さまわマクベス夫人かなぁ?
同じ時代に生きててよかったわ実感です!!

お祖母さまの言葉素敵♪
トン追っかけのわたしも贅沢に生きてると感じますもの\(^o^)/
【2012/05/06 22:45】
| URL | ソン #-[ 編集] |
ソンさん こんばんは

わたしの初玉さまわマクベス夫人かなぁ?
>あれも凄みのある玉様でしたね

トン追っかけのわたしも贅沢に生きてると感じますもの\(^o^)/
>まさにそうです! 
そんな贅沢が許されてる私達
家族の理解があってこそですね
【2012/05/07 00:07】
| URL | usako #udg4x/Zk[ 編集] |
板東玉三郎 ふるあめりかに 袖はぬらさじ で
プログ検索中です。その感想を コピーして 貼っています。
先ほどまで このお芝居を テレビで 観ていました。
セリフ中心?のお芝居で 面白かったです。
板東玉三郎さん 人間国宝なんですね。見事な女形ですね。有吉佐和子さん著ストーリー的には 幕末の芸者の話しで かなり ツライ話しですね。
藤吉が 言う あの訳の言葉を亀遊は どんな気持ちで聞いたのかなぁ?
商売のため お園は どんな気持ちで 亀遊の話しを最大デフォルメして 語りつづけていたのだろうか?
亀遊の真実の苦労した人生と商売にされた亀遊の作られた人生話。人は どう生きるか だけれど~。その時代背景の世で 悲しみの中で死んだ女と 悲しみを背をて生きた女。
しかし板東玉三郎のセリフ回しは 最高ですね。
舞台俳優は大変ですね。DVDになるかなぁ。
演劇同好会(名前検討中 ふるあめりかに袖はぬらさじを語る会
私は ページを 持っていません すいません。
【2013/01/03 20:31】
| URL | 村石太レディ&チマエ #7tjrB8h.[ 編集] |
うさぎの紅い眼 玉三郎さんの美に浸る時間
【2013/04/25 15:55】
| URL | マークジェイコブス 通販 #EBUSheBA[ 編集] |
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